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「そろそろ出よっか? 」

と、多田の顔を覗き込んだ

「せやなぁ 」

そう言って2人は出口へ向かった




それからイベント限定のストラップを買うとストラップの裏に
好きな文字を掘って貰えるというものがあり



2人で銀のストラップを購入して
掘ってもらう予約も無事に終わった



私は、シンプルに自分の名前 " 憂 "
多田は " 四弦奏者 " と



ほんとに多田はベースが好きなんだな
と思った



それから出来上がるまで1時間ほど時間があった為
下へ降りて、カフェで昼食を取ることにした




私はその時に人生初チョリソー・・・
まず、チョリソーがどんなものかも知りませんでした……


ただのウィンナーほどにしか思ってなくて
運ばれてきたチョリソーを一口……



「辛い……ねぇ多田……これなんか辛いよ? 」

「当たり前やん チョリソーやし 」

「……チョリソーって辛いものなの……」

「せやで 」



辛いもの苦手な私にとって
チョリソーは半端なく辛かった

ヒーヒー言いながら食べていると


「なぁ? こっち食べるか? 食べれるん? 」

なぜか意地をはってしまい

「だっ大丈夫だもん! 食べれる! 」

ヒーヒー言いながらも
無事にに完食した

多田も頼んだカレーを完食していた



「そろそろ行こうか 」


と私が声をかけて
伝票を取ろうとした瞬間

思いがけないスピードで
伝票は多田の手に

「俺払うから ええよ 」

「えー! いいよそんなん! 」

「いや、結構待たせてしもたし……」



そんな会話をしながら
伝票を取り合いっこ


最終私が折れて



「多田ありがと ごちそうさまです」

「ええよ 」



それから
ストラップを取りに行って

大切に鞄にしまった



「ねぇ、多田! これからどこ行こうか!まだ時間あるし! 」

「あー どこがええかなぁ……俺、大阪そんな詳しくないからなぁ…… 」

「とりあえず栄えてるとこ行ってみよーか!! 」

「せやな! 」




とりあえず栄えてるとこに行く為に
駅に向かった














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