Favorite voice


-楓side-


もう歩き疲れてヘトヘトだった

あかん…ブーツなんて履いてくるんじゃなかった…


さっきから女神がオドオドしてる


都会に慣れてへんのかな
夜という事もあり周りには人が多く
かなり賑わっていた



こいつ…迷子になりそうやな



そう思っていたら
自分が迷子になりそうだと思ったのか


女神は俺のバックの端っこをつまんで来た


俺は何も言わずに歩いて
夕飯を食べる場所を探した



恥ずかしいのか?こいつ


自分から、バックの端っこをつまんで来たくせに
少し顔を赤らめて
俯き気味に歩いていた


「ちゃんと前見て歩かな、危ないで 」


そう言うと慌てて
前を向いていたが

俺はそんなコイツを見て
ニヤついていた

ほんとに面白いなコイツ


そんな事を考えながら
もう店もありすぎて
歩き回っても時間の無駄だと
見切りをつけて


適当に入る店を決めた







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