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料理も揃い

私が小皿に分けたところで


「「いただきまーす! 」」


てかこれからどこ行こう
一泊する予定だし、ホテル……だよね


そんな事を考えてたら


「なぁ、これからどっか行きたいとこある? 」


多田も同じような事を考えていたのだろう
そんな事を聞かれても
大阪に遊びに来たのは初めてだし
特に思いつく事もなかったので


「いやぁ……私も考えてたんだけどね?なんか思い浮かぶものなくてねぇ 」


「どーしようなぁ、もう歩き疲れたし今日は適当にホテル探してもう寝るか 」


ホテル……
多田と一緒の部屋で寝るのか……
まさかこんな日が来るとはなぁ



「そーだね! そーしよ!私も疲れちゃった! 」


そう笑顔で返した


多田は初めて会った女の子とホテルで寝るのは
なんとも思わないのかな?
なんて思いながら
箸を進めた


それから2人で黙々と料理を食べ
お腹もいい感じに満ちた



「ごちそうさま! もう私、お腹いっぱいだー! 」


吐きたい、吐き出したい
心の中ではずっとそう思っていた
太る…太ってしまう……
そう思いながらも


「うまかったな! 俺もお腹いっぱいやわ! 」


そう言いながら笑っている多田の顔を見ていたら


吐き出したいという気持ちは自然に少しだけ和らいだ













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