Favorite voice
店を出てからというものの
お互いに土地勘がない為に携帯を使ってホテルを探すことにした
周りは夜という事もあって
来た時よりかなり賑わっていた
私は田舎者だ
こんな賑やかな場所に慣れておらず
少しだけ怖いと思ってしまった
「 多田… あのさ、 私からあんまり離れないで… 」
そう言って私の少し前で歩いていた多田のズボンの後ろポッケに指をかけた
「 ん?あぁ、分かった 」
多田は私の隣で歩き始めた
携帯で探しながら、最終的には1番近いところに決めた
私は地図が苦手だ
「あのさ…住所入れたんだけどさ…ごめん! 分からない! 」
少し困ったように笑ながら多田に地図を開いたままの携帯を渡した
「お前アホなん? 」
「すんません… 」
苦笑いをするしかなかった