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それから2人で
あそこ楽しかったねぇー!

なんて振り返りながら
夕飯を食べ終わり


お店を出ることに


払うと言ったのに聞いてくれなくて
ご馳走することに……



「多田…ほんとありがとね……? 」



「こちらこそ、わざわざこんな遠いとこまで来てくれてありがとうな 」



2人でゆっくり歩く


手を繋いだまま









駅に着いた






お別れだね



「じゃあ私こっちだから…… 」


「ほんまありがとな 楽しかった 」


「私も久々に凄く充実したし楽しかったよ…ありがとう! 」





「……じゃあ、行くね!ばいばい!お疲れ! 」

「おう、おつかれ 」









私は早歩きでエスカレーターに乗り
1度も後ろを振り向かなかった



多田がもし見送っていたら
涙が出そうだったから



新幹線に乗り込む寸前に
視界が揺らいだ…

「もう…会えないのかな 」



瞳に溜まった涙を服の袖で軽く拭い
新幹線に乗り込んだ





それからすぐに
多田から連絡が来た















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