Favorite voice
それから2人でほとんど歌わずに
たわいもない話で盛り上がり
時間がこくこくと流れて行った
ープルルルルル
「あっ! 多田! 時間…! 」
部屋の電話が鳴りだした
私は飛びつくように受話器を持ち
「もしもしっ! 」
「カラオケの時間がもう少しで終わりますが、延長の方いかがされますか?」
「あ、もう出ます! 」
そう言うと私は多田に
アイコンタクトを送った
" そろそろ行こうか "
多田は察してくれたようで
荷物を片付けはじめた
「かしこまりました 」
ーブチッ
「行こかー? 」
「だねっ! 行こっか! 」
私も荷物をまとめて
伝票を持ち
扉を開けた
エレベーターで下に降りると
会計を済ませ
外を見た