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気がつけば
もう夕飯時の時間になっていた




「そろそろ夕飯食べ行こか! 」


ようやく落ち着いた多田だが
いまだにニヤニヤは止まらない様子







「うん!ちょうど私もお腹空いたから、ご飯食べたいって言おうとしてたっ! 」






「ほな、行こか! 」








そう言ってゲームセンターを出たら
もう日は落ちて辺りは暗くなっていた










「なぁ、なに食べたいー? 」



「…んー? なんでも良いよ! 」




「それ1番困るやつやわぁ 」




「だってほんとになんでもいいもん! 」




「近くがええよなぁ 」



「うん!もちろん! 」





そう言ったものの
近くをグルグル歩き回る事30分は経っていた






「ねぇねぇ、どうするー? 」


「せやなぁ、どこがええかなぁ 」






もう…この会話何回目……





お互い優柔不断な為
いつもこの会話は常に絶えない










この調子で結局1時間は歩いても
決まらなくて

最終的に私が


「もう疲れた!あそこにしよ! 」





そう言って適当に目の前にあった店に
決めてしまった



お腹も空いたし、歩き疲れたし
多田はなんでも良さそうだし



このだったら
一生決まらない気がした……










こうして近くにあった
お店に入る事にした私達









お店の人に通されて席につく




ガラス張りになってるから
外の景色が良く見える









慣れない街だから
気になって外の様子をチラチラ…









「どうしたん?気になるん? 」




「うん、お店多いね、 」



「せやなぁ、多すぎて困るわぁ 」




「…だろうね 」









ドリンクを先に注文して
後からフードも頼んだ



イタリアンのお店だった為
多少フードは選びにくかったが


なんとか注文を無事に終えて








「乾杯しよっか! 」


「せやな! 」


「再開おめでとー! 」


「…ん?なんか変やない…?まぁええか」




多田は首を傾げてるが、
気にしない!




だって本当に再開できたことが
嬉しかったから










今目の前に多田がいることも
実は夢みたいって思ってる

















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