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店を出てから20分が経とうとしていた頃
「多田ーっ!!!!ありえん!なんで!? 」
そう私は空に向かって
大声で叫んでみる
そう、現在大雨と強風に打たれながら
ホテルに向かってます
「知らんわいな!お前雨女ちゃう? 」
「はぁー!? 多田が雨男なんでしょっ! 」
「ちゃうわー、なんなん! いつも女神と会うとき雨なんやけど!? 」
「いつもって…まだ2回目ですーっ! 」
「とりあえず、傘買おうや 」
「賛成ーっ!! 」
近くのコンビニに寄り
傘を買ったはいいけど……
ーーバキッ
傘を買って5分も経たずに壊れたの
わたくし人生初めてです
「……あっはははははは!! 」
「壊れるのはやすぎやろ! 」
「っうひひひひ! 傘壊れるのはやっ!あはっ! 」
多分今年初めて
こんなお腹の底から笑ったと思う
「いや、笑い事ちゃうし! あっかんわぁ…タクシー拾おうや! 」
……クスクス
笑い止まらないっ!!
綺麗に裏返った傘は折りたたんだけど
チラチラ見ては笑うの繰り返し
さすがの多田も呆れ気味
運良く目の前を信号待ちでとまってる
空車のタクシーが居たし
手をあげて
そくささと乗り込む
「ホテル街までお願いしますっ! 」
そう言って
ようやくと言わんばかりに
気が抜けて一息ついた
「ほんまやばいなぁ…強風警報出てるわぁ 」
「えっ!やばっ! 」
タクシーの窓の外を眺めて
ボーッとしていたら
気づけばホテル街へ到着していた
「ほら、行くで 」
「あ、行こか 」
慣れない土地だし
一日中歩き回ったりで
身体の疲労も溜まって
うとうと気味になってると
多田が手を引いて歩き出した
「ありがと… 」
恥ずかしくて視線を逸らした
「あぁ、気い付けや 危ないから 」
「うん 」
目的地はもう携帯のナビで確認は
したから
すぐに到着することができた