手にしたものは?〈短編〉

入学式の後、ヒトメボレした彼に思い切って話かけた。



「あなたのサークルに入りたいです!」



彼はクスって笑って

「ようこそ俺のサークルに?」


ノートに私の名前を書いたら、名前を教えてくれた。






『2年の金沢大樹。よろしくな、坂井かのチャン。』






握手した手がとにかく暖かくて、おっきくて、私の手がすっぽり包まれた。





たったそれだけの事。






あなたが私の特別になった瞬間。





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