手にしたものは?〈短編〉
白いカーテンに黒いベッド。
白いテーブルに黒いタンス。
白と黒ばっか。
彼女の私物らしきものはなくて少しホッとした。
何かあったら、やっぱ多少ショックだもん。
ん?写真…
グイッ―
「わ…あっ!」
ベッドの脇の壁に貼られてる写真を見ようと近付いたら、大樹さんに腕を引っ張られた。
?
でも引っ張った当の本人は目を瞑ったまま無言。
「…」
寝惚けた?
寝顔…可愛い。
胸がきゅうってなる。
やっぱり好きだな〜…。
「華乃…」
大樹さんの目がいきなり開いた。
「わっ!大樹さん…っ?起きてたの!?」
「華乃…たかと何かあった?」
腕は捕まれたまま。ベットに少し引き寄せられた。
ドキンッドキンッ―
何か…って
告白は、アレは何かに入るのかな?
でも知られたくないな。
「いや…何もないですよ?なんで?」
「今日たかの事、急にたかチャンて呼んでた。」
「あぁ、あれは…たかチャンが…」
大樹さんの瞳が…
私を見てる
ダメだよ
その瞳に弱いんだよ。