手にしたものは?〈短編〉
「俺には…さん付けで、敬語なんか使っちゃって…。アイツには馴れ馴れしいぢゃん?」
拗ねてる子供みたい…
「酔ってます?」
「ごめん…酔ってるかも。俺ちっちゃいな。たかがこんな事…。」
私の腕を離した大樹さんは、ベットから起き上がってくしゃって頭を掻いた。
「大樹…くん。」
「大樹でいい…」
「大樹…」
「うん…」
大樹さんは右手で私の左手をやさしくにぎってくれた。
左手で私の頭を撫でながら…
期待していいの?
私、好きになってもらえる可能性あるの?
彼女がいるのに?
あ。
写真…
私は壁の写真に目をやった。
え…うそ…