手にしたものは?〈短編〉
華乃は恋人に似てると思ったけどやっぱり違う。
タレ目でぱっちりした瞳。
背は俺よりだいぶ小さくて。
髪はふわふわしてて、すぐに撫でたくなる。
華乃は少しトロくて危なっかしい。
今日もまた、たかに捕まってるよ…
「華乃っ!」
俺が呼べば、たかの腕をくぐり抜けてすぐに駆け寄ってくる。
「大樹さんっ!」
可愛い…
華乃の気持ちにはすぐに気付いた。
俺を思ってくれてる。
嬉しいけど…素直に受け入れる事は出来ない。
俺って、彼女いるし。
でもさ
なんか
他のヤツに取られたくないって気持ち…
ズルイよな。