手にしたものは?〈短編〉
欲しいもの


大樹さんとまともに目を合わせられない。



またあの瞳を見たら、諦められなくなるから。


彩がため息混じりに私を見つめた。

「そっか…。」



彩にあの日の事を話した。



「でも、最後に気持ち伝えた方がハナはスッキリするんぢゃない?」


「私はスッキリするかもだケド…大樹さんには迷惑だよ…」



食堂から、もう緑の葉をつけてしまった桜の木が見える。



「大樹さんは…私ぢゃなくて、彼女を見てたの。私なんか見てなかったんだよ…。」



「はな…。よしっ今日は飲み行こう♪クラスのヤツ連れてさっ!」







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