手にしたものは?〈短編〉
どれくらい飲んだかな?
もうクラクラする。
「坂井?俺、送ってくから帰ろうか?」
クラスのてっチャンがやさしい…
「てっチャ〜ンっ!ありがと〜っ!あんた出世するよっ。うん。」
訳分かんない私。
「はいはい。帰ろうねハナっ。」
彩に催促されて、私はてっチャンに送ってもらう事になった。
いつもは大樹さんと歩く道…てっチャン腕を捕まれながら歩く。
向こうから誰か走ってくる…
え?
「大樹…さ…ん?」
「は…っ、はぁっ…。あとは…俺が送るから。」
息を切らして私の腕を、てっチャンから離す。
てっチャンは何かを察して
「あ…ぢゃ俺、ここで…。ぢゃあな坂井っ。」
って帰ってった。
「大樹さん…なんで?」