手にしたものは?〈短編〉
高校生になったら、友達からの紹介で、いろんな人と仲良くなった。


同じ高校の譲。


近くの男子高に通う潤。


夢見るフリーターの彰さん。


アルバイト先の正紀君。


何人かと付き合ってはみたものの、続かない。


4ヶ月が限界。


好きとかなんだか分からなくなる。


でも今思えば、最初から好きぢゃなかった。


なんとなく好きで
なんとなく一緒にいて
相手が

「付き合って」

って言えば、なんとなく付き合う。



小さい頃から変わってない。欲しいものをじっと待つ。手に入るまで。


もちろん、恋人らしい事は一通りしたよ。


子供ぢゃないもん。手を繋ぐだけぢゃ終わらない。


でも、そこに愛があったのかは謎だった。


肌を重ねるのは、なんだか恋人がいる人間の義務みたいな?


気持ちいいとかそんなのどうでも良かったんだ。


こんなもんか。恋って。






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