君想い【完】


「無理だろうな。純が来るまでずっと叫びながら、純、純、ってぼやいてたもん。」

「中澤さんはその後どうなるの?」

「寝かせるんだよ。興奮しすぎて体も疲れてる。フラッシュバックして、頭も疲れてる。だから寝かせるんだ。」

「さりなちゃんはすぐに眠れるの?」

「歌を唄ってあげるんだ。

Twinkle twinkle little star

How I wonder  …」


みんなが歌に聴き入っていた。


「綺麗な英語。」

「父さんの海外出張に2カ月付いていった時に唯一覚えた英語。」

「それを聞いたら眠るんだ。」



さりちゃんの話をし終えると、

みんな黙っていた。



「僕もう帰るよ。待ってるし、」


祥吾は頭を伏せたままで、

誰も声を掛けてあげることは出来なかった。


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