君想い【完】
目に入りそうな花びらから
逃げるように硬く目を閉じた。
そっと前髪に気配を感じて
目を開けると、
背景の桜吹雪がよく似合う子が立っていた。
「おはよう。前髪っていうか、髪が桜だらけだよ。」
「ありがとう。でもゆかりちゃんもすごいよ!」
「嘘?やだ、もう!風が強くてイラッとする!」
「こんな強いと桜も散っちゃうね。」
ゆかりちゃんと話していると、
新しい新入生が何度も見てきた。
上級生には睨まれ、
とにかくものすごい視線を浴びた。
ゆかりちゃんは
すごく目立つ。
さりちゃんと一緒にいたから
見られる事には慣れてたけど、
視線の数が違う。