君想い【完】
「ねえねえ。早くクラス見に行こう!」
「そうだね。僕トシと同じクラスがいいな。」
クラス表まで行くのも一苦労。
視線が痛い。
痛いというより、視線が怖い。
「純ー!!俺たち一緒!クラス一緒だぜ!」
息を切らしたトシが飛びついてきた。
「あ、ゆかり。お前も。」
興奮しながら言ってきた僕とは違い、
なんとも素っ気ない言い方。
「冷たっ!一昨年まで4年間トシと一緒だったじゃん。つまんないの。」
「俺もお前がいると男がクラスに群がるから嫌だ。」
僕はこんな会話羨ましい。
さりちゃん以外の女の子と、弾んだ会話をしたことがない。
どうしても気を遣って、
一線置いてしまう。