君想い【完】


黒スーツの男が出した店の名前は18歳未満の入店が拒否されている、
風俗店だった。


「経験ある?」

「ないです。」

「君は学生だし、キャバクラより僕はこっちの仕事を進めるけど、どうかな?」

「確かに学校通いながらじゃきついですよね。こっちの方がいいかも…。」

「本当に?じゃ、どう?体入してみる?」

「体入はお店の様子見てから決めてもいいですか?」

「全然いいよ!そのかわり店の様子見るだけじゃお金はあげられないけど…。」

「はい。」

体入はきっと体験入店の略だ。
よくポケットティッシュに体入2時間でで1万円とか大きく書いてあるのを、
姉貴の部屋に置いてあったポケットティッシュで見たことがある。
いつも2時間で1万円も貰えるのか!とびっくりしていた。

僕がそんなことを考えている内にさりちゃんと黒スーツの男は席を立ってレジの前に居た。

僕も会計を済ませて後を追う。

黒スーツの男に連れられ小さなビルの3階に入っていった。

僕はここまでしか入れない。
店に客として入ったところでさりちゃんにばれてしまうのがおちだ。


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