君想い【完】
「僕ゆかりちゃんと付き合うことになったから。」
「は?」
あの時の表情は今でも忘れない。
ゆかを睨み付けていた時と同じ目が僕に向けられた。
「ホントに言ってんの?」
「うん。さりちゃんには祥吾がいるでしょ。」
「それとこれは別だよ!純ー!」
さりちゃんは僕の心をかき回すのが本当に得意だ、
とこの時改めて思ったのを覚えている。
「ちゃんとさりちゃんの事は見てるし、ゆかりちゃんと同じくらいさりちゃんの事も考えてるから、そこは分かってね。」
「なんかイライラする!純のバカ!」
さりちゃんのイライラするを聞いて、
僕はその時ゆかのイラッとするって言う口癖を思い出していた。
で、思い出し笑いをして余計にさりちゃんを怒らした。