君想い【完】
思わず涙が出そうだった。
さりちゃんは1人で何かを抱え込んでいる。
でもそれを心配させたくないから僕にこんなメールを送ってきた。
何かを抱え込みながら僕にまで気を遣ってる。
いや、僕が遣わせてしまったのかもしれない。
1人で悩みを抱えて、
1人でため込んで、
泣きもしない。
かと言って笑いもしない。
身近な僕にまで気を使って、もうさりちゃんに干渉してはいけない。
干渉すればするだけ、僕に気を使う。
さりちゃんの悩みが一つ増える。
こんなに近くにいるのに、
さりちゃんとの今の距離はたった一両。
家は隣で、部屋だって窓と窓が良く見える。
さりちゃんの隣りはいつも僕が歩いている。
僕が一番さりちゃんに近いはず。
でも今はさりちゃんがずいぶん遠く感じる。