君想い【完】
きっと彼女の口癖のうぜぇな。でも発したのだろう。
彼女を攻め立てる女から平手が飛んだ。
それでも表情一つ変えたりしない。
僕はいつもそれを末恐ろしく思う。
「気済みましたか?」
「ふざけんなよ!」
そんな言葉を無視して、彼女は歩きだした。
一歩踏み出したのを見て僕は急いで教室の窓を閉めた。そして一目散に走りだす。
「さりちゃん!」
「何だ。純か。」
僕が来ても彼女は笑ったりしない。
僕が彼女にとって喜ぶ存在じゃないから。
彼女の笑った顔は最近見ない。作り笑いなら見たことある。
こんな風に彼女をしてしまったことを恨み、彼女を救ってあげられない自分が憎い。