君想い【完】
第7章 真実
「気分悪い。」
「純気持ち悪いの?」
「絵美か。うん。気分悪いからほっといて。」
トシと朝から嫌な話をして、
頭が痛い。
あれから、
あの日から祥吾は今だに目を覚まさない。
当たり前の話だけど。
さりちゃんはあの日から感情を無くした。
高校に入って行動までおかしくなった。
「純、帰ろうぜ。」
「ああ。」
トシと2人で帰るつもりだったが、
後ろから絵美や他の連中も着いてくる。
やたら絵美が絡んでくるのがうざったい。
僕の腕に自分の腕を絡め、
隣りで嬉しそうに歩いている。
「純ー大丈夫?」
「大丈夫だからこの手を離して。」
「いいじゃん!ね?」
勝手にしてくれ、
と小さな声で言って僕はまた黙った。
思い出すだけで辛い思い出だ。
思い出してもなにも良いことがない。