君想い【完】


「何あれ?」

校門で男が群がっている。

邪魔くさい。
気分も悪いしイライラするし。


「2人とも可愛い!彼氏いんの?」

「誰待ってるの?」


耳障りな言葉が校門で飛び交っている。

校門に群がるなんていい迷惑だ。


「邪魔なんですけど。」

「純!!」


男の群の中から僕を呼ぶ声がする。

聞き慣れた、透き通る優しい声。

耳が拒む事をなく僕に届く。


「邪魔!マジで!」


男をかき分け、手を伸ばす。


「純!」


捕まれた手を思い切り自分に引き寄せる。


小さくて細い体。


「ゆか。」

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