君想い【完】
握った小さな手から
ゆかの懐かしい温かさを感じる。
強く握った手を
さらに強く握り返してくる。
「会いたかった。」
「ゆか。ごめんね。」
丸い瞳がまっすぐ僕を見つめてくる。
緊張と動揺で目が離せない。
「人の彼女に何絡んでんだよ!」
怒鳴り散らす横で嬉しそうに香代が頬を染めている。
懐かしい光景。
10ヶ月ぶりに4人がそろった。
「誰この子?」
絵美の睨みがゆかを突き刺す。
その睨みを突き返すようにゆかが目を細めた。
懐かしいゆかの目。
中学1年生の時はよく見ていたこの目。