君想い【完】
「あー、イラっとする!」
「どうしたの?」
「あの店長、人の顔をずっと見てどっかで会った事ないっけ?ってずっと聞いてくるの。新手の勧誘?」
「ゆかみたいな美人は滅多にいないから、本当にどっかで会ってたんじゃない?」
「褒めても何もでないけど。」
頬杖をついて、頬を膨らませていた。
「裏にもいなかったよ。舞ちゃん。」
「モザイクかかってる子もいたけど、舞ちゃんらしき人はいなかった。」
2人同時にため息が漏れる。
麗とさりちゃん、トシにメールを同時送信した。
すぐにトシから返信があって、
トシと香代の方も駄目だったらしい。
「もう調べ終わっちゃうね。」
ゆかが不意に言葉を漏らした。
電車から見る景色は賑やかで、
すでにネオンに包まれていた。
そんな景色をゆかが遠い目で見ていた。
みんな苦しくて仕方がない。
どうにもならない現状に
悔しくて仕方がない。