君想い【完】


僕の部屋から彼女の家の玄関はよく見える。

「そろそろかな。」

僕の手の平分だけカーテンを開けて、彼女の家の玄関を見る。


とても高校2年生とは思えない格好をした彼女が出てきた。



デニムのミニスカートに、紫のカラータイツ。靴は黒のピンヒール。黒のニットの上に触ったら気持ち良さそうな毛皮のコートを着ている。



「あのコート初めて見た。」

鞄はブランド物。さっきまでストレートだったベージュの髪は綺麗な曲線を描いて巻かれていた。

これから彼女は都心に向かうのだろう。



彼女の名前は中澤さりな。

僕の幼なじみ。

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