君想い【完】
「ねえ、でもおかしいよ。」
「俺もそう思ったよ。でもそれが事実だろ?」
「いや、おかしいよ。やっぱ変だよ!あんなことがあったんだ!さりちゃんは麗みたいな奴と関わりたくないはずだろ?」
僕が必死に問い掛けると
トシは首を傾げた。
「俺もそこは最初おかしいと思ったんだよな。」
「だろ?さりちゃんが笑わなくなったのだって、あんな風になったのだって、全部全部…!」
トシが思い切り僕の腕を引っ張った。
少し足がもたついて、態勢を崩してしまった。
トシにされるがままついて行き、教室を出た。