君想い【完】
第4章 中学1年生
真新しい制服を着て、気分も浮かれ、短いスカートを風で揺らしながらリビングに飛び込んで来た。
「ねえ!純似合う?」
「え?さりちゃんスカート短くない?」
「あたしのあげたのよ。」
明日入学する新入生にしては、いいご身分な短さで僕は少し不安になった。
「絶対先輩に目つけらるよ…。」
「大丈夫よ!さりな!上級生になんか言われたらあたしに貰ったって言いなさい!」
「うん!もちろんそのつもり。」
僕なんかそっちのけで、姉貴と2人で盛り上がっている。
新しい制服が汚れてしまうんではないかと思うくらい、さりちゃんが跳ね回る。
セーラー服の襟が揺れると嬉しそうな笑顔が溢れる。
「ねえ!純はもう制服着た?」
「まだだよ。」
「ちょっと着てみてよ!」
「やだよ。」
「いーじゃん!早く!」
どこまでもわがままなさりちゃんに背中を押されながら自分の部屋に向かう。