恋しい桜舞う空で。



老夫婦が座った後
電車は発車した。



私と悠斗くんは



たくさんの人でぎゅうぎゅうになりながら立った。



私はそんな中さっきの事を思い返していた。



悠斗くん、迷いもなく真っ先に席を譲ってた。



いつもの笑顔で。



席に着くときも
優しく手をとって



座りやすいように
座らせてあげてた。



「悠斗くんって…優しいんだね」



思ったことがつい口から出てしまい



私は口を手で押さえた。









< 52 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop