*花は彼に恋をする*【完】
「…恥ずかしい。」
全身を見下ろされているようで
慌てて隠そうとした私に
「…隠すなよ。」
囁きながら翔英さんは
「…美しいよ…玲花。
こんなに綺麗な身体に
本当に俺が触れてもいいのか…?
後悔はしないか…?」
不安気な瞳で至近距離で見つめながら
そっと私の頬に触れた。
…あっ、震えてる?
彼の指先から緊張感が伝わった。
私が緊張しているように
彼も緊張してるの?
私がハジメテだから?
でも、私は翔英さんがいいの。
元彼に求められても拒み続けたのは
あなたが忘れられなかったから。
でも、今
その瞬間がもうそこまで来てる。
…欲しい…翔英さんの温もりが。
後悔なんてしない。
ずっと憧れていたから。
ずっと好きで仕方なかったから。
黒瀬翔英…この人と私は
今から素肌を重ねて一つになりたい。