*花は彼に恋をする*【完】

「…後悔しないから…。
翔英さんも後悔しないで…。
……私は好きです…翔英さんが。」

私は素直な気持ちを

愛するこの人に囁いた。

それを聞いた翔英さんは

「…俺だって…もう我慢出来ない。」

と、着ていたバスローブを

素早く床に脱ぎ捨てて素肌を晒した。

初めて見る彼の素肌の身体。

スーツ姿でも私服姿でも

そして…抱き締められた時でも

ガッチリして逞しい体格だと

わかってはいたけど

実際に晒された素肌を見ると

贅肉なんて見当たらない。

あまりの整いように

異性なのに嫉妬してしまいそう…。

美術館の彫刻を見ているようで

「…翔英さん…私…触れたかった。」

私は手を伸ばすと

整った肩や胸板や腹筋にそっと触れた。

しばらくして

「…玲花、本気で限界だ。」

と言った翔英さんが私の手を掴むと

私の顔の横に下ろして指と指を絡めた。

漆黒の瞳が私の瞳が合い

彼はゆっくりと口を開いた。






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