*花は彼に恋をする*【完】
「…優しく出来るように…努力する。」
翔英さんがゆっくり覆いかぶさって
優しく私の唇を塞いだ。
軽く貪られるように動く彼の唇。
舌に優しく絡み合うと
微かに声が漏れた。
彼の手や唇が全身に触れると
初めて感じる刺激に
今まで発した事のない声が漏れる。
初めての事ばかりで
頭の中で微かな動揺が走りながらも
身体が感じてしまい
自分が何を言ってるのか
段々とわからなくなった。
翔英さんに翻弄され
私の全身の力がふうっと抜けると
優しい眼差しでそっと抱き締めながら
「…そのまま…力まないで。
力を抜いてて欲しい。」
と、優しく一つになろうとした。
しかし
友人から以前聞いていたように
初めて実感する痛みに
思わず叫ぶとともに
無意識に余計な力が入って
彼の両肩を力強く掴んでいた。
「…ごめんなさい。」
痛がったから怒ってないかどうか
不安で泣きそうになった。