*花は彼に恋をする*【完】
「…本当ごめんなさい。」
恐る恐る手を伸ばすと
翔英さんが私の手を握りながら
「…痛いか?…大丈夫か?
俺は別に怒ってないし
こんな事で嫌いになんかならないよ。
でも…玲花が辛いなら
今日は別にもうやめても大丈夫だよ。」
そう言って優しく微笑んでくれた。
その言葉を聞いた時
私は少し頭を上げて抱きついた。
驚いて目を見開いた翔英さんに
「…お願い…やめないで。」
私は精いっぱいの気持ちを伝えた。
……どうかわかって欲しい。
彼はすぐに柔らかく微笑むと
私の頬を撫でながら
「…わかった。
ただ、力を抜いて楽にして。
辛かったらしがみついてくれ。
…愛してるから安心して。」
そう耳元で囁きながら
もう一度ゆっくり私と一つになった。
やっぱり叫んでしまったけど
「…ごめんな。大丈夫?」
優しい言葉で心配してくれる。
痛みを感じたけど
ジワジワとそれ以上の幸せを感じて
目から涙が溢れた。