*花は彼に恋をする*【完】
…えっ!?これは…!?
私は言葉を失っていた。
まだ私は夢を見てる?
昨夜の余韻で寝ぼけてる?
勘違い?見間違い?
そう思って瞬きをして
もう一度じっくりと
左手薬指を見てみたものの
やっぱり寝ぼけてる訳でもなく
夢を見てる訳でもなかった。
私の左手薬指に輝くのは
何石ものダイヤモンドが隙間なく
リングに沿って埋め込まれた
プラチナリングで
サイズもピッタリと合っていた。
……綺麗……凄い……。
ダイヤもキラキラしてる…。
こんなに贅沢な指輪が私の指に…。
…あっ、でも
どうして私の左手薬指に指輪が?
どうしてこんなに高価なモノが?
そう思った時
「…玲花…どう?それ。
気に入ってくれた?」
黙ったままジッと見つめていた私に
翔英さんが口角を上げながら
その指輪を顎で示した。
この部屋にいるのは私達だけだけど
「…翔英さんからですか?」
一応確認を兼ねて尋ねると
「…ああ、勿論そうだよ。」
彼はあっさりと認めた。