*花は彼に恋をする*【完】

先輩からの陰口や妬みから

私を守ってくれたあなたに

22歳の私は恋をしました。

あなたを好きになった私は

名前の由来のように

光り輝く玉のように

太陽の下で眩しく咲く花のように

美しい女性になって

あなたのそばで輝きたいと思いました。

あなたからの一言一言が嬉しくて

部下でいられる事が嬉しかったのに

23歳の私はあなたの異動と昇進に

喜ばないといけないのに

凄くショックを受けました。

想いを伝える事を躊躇いました。

そして

あなたのお見合い話を聞いて

叶わぬ恋を決定づけられ

もうあなたの心に私はいないと

たくさん泣いた24歳の私は

あなたを諦めました。

他の男性と交際していても

あなたの事が頭から離れなくて

求められても拒否し続けた事で

私から離れて行く男性達を見て

『何でいつもこうなるんだろう』と

25歳の私はため息をつきました。

大好きな人から溺愛されて

大好きな人と結婚して

大好きな人の姓になり

大好きな人の子どもを妊娠して

幸せそうな顔をする羽奈や彩羽に

26歳の私は祝福の裏側で

報われないあなたへの恋心を

封印する苦しさに

日々押し潰されていました。










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