*花は彼に恋をする*【完】
「…翔英さん。好きです。」
真っ直ぐに見つめて言葉にする私に
「…ああ…俺も好きだ。」
彼は優しく微笑んでくれた。
「…私もあなたを守りたいです。
翔英さんは…こんな私でも
本当に…守ってくれますか?」
「…『こんな私』なんて言うな。
そんな玲花だから、俺は惹かれた。
頑張り屋の玲花も…。
気が強いかと思えば意外と脆くて
綺麗な涙を流す玲花も…。
後輩への面倒見が良くて
友人想いの玲花も…。
すべて愛くるしくて堪らない…。」
そう言いながら
頬を両手で包んだまま
優しく見つめる翔英さんに
「…私も…翔英さんのお嫁さんに
なりたい…です。
よろしく…お願いします。」
と、溢れる涙の中で
私はプロポーズを受け入れた。
OKした私に彼は
「…ありがとう。」
と、言いながら
「…お前の涙は綺麗だから
他の男の前で泣くな。
特に赤羽には何でも気を許すな。
俺の前から離れていくな。
……ずっと傍にいてくれ。」
そう言って
私の頬から両手を離すと
後頭部を引き寄せて
優しく抱き締めてくれた。
…私の涙腺は
喜びと幸せが溢れ出して
止まらなくなった。