*花は彼に恋をする*【完】
私を抱き締めていた翔英さんは
「…玲花はそうやって
可愛い事ばかり言うんだな。
そうか…あいつら夫婦が
凄く羨ましかったんだな?」
と、笑みを含ませながら
さらに強く私を抱き締めてくれた。
「…翔英さん。」
愛しいあなたの名前を呼んだ。
すると彼は抱き締めていた腕を緩めて
私を優しく見下ろした。
そして
私の左手をキュッと握った。
「…安心しろ。
高崎夫妻よりも藤村夫妻よりも
俺は玲花を溺愛するつもりだ。
周囲は勿論
あいつら夫婦も羨むくらいにな…。」
「…翔英さん。」
『溺愛』の言葉が少し恥ずかしいけど
この人の決意に胸が熱くなった。
「…だけど、俺だって完璧じゃない。
支えて欲しいし、癒して欲しい。
だから、玲花も俺を愛して
堂々と幸せオーラを出してろ。」
そう言って反対の手で
私の後頭部を引き寄せると
「…愛してる。」
そう耳元で囁いた後
優しく…熱いキスをくれた。