*花は彼に恋をする*【完】


それからの私は

指摘や意見は相変わらず言うものの

表向きは

先輩達の意見も取り入れられる事は

取り入れられて、先輩達の顔を

なるべく立てられるよう努力はした。

黒瀬課長代理も改革を進めて

職場内を見直してくれていた。


その甲斐あってか

陰口や妬みは

以前よりは落ち着いてきた。


私は黒瀬課長代理への感謝とともに

募り始めた恋心に

まるで乙女のような…。

そんな気持ちになっていた。


黒瀬課長代理は相変わらず

必要以上は話さない人だったけど

時折口角をあげてくれる仕草と

お茶やコーヒーを出した時の

「…ああ。すまない。」

この一言を聞くのが嬉しかった。


毎日、黒瀬課長代理に会えるのが

嬉しくて

出張で不在の日は

がっかりして残念で

顔には出さないけど

戻ってくる日を待ちわびていた。


もっと私を見て欲しくて

羽奈のように美しく

彩羽のように可愛らしく

そこまでなれないとわかっていても

自分磨きにもチカラを入れた。

認められたくて

仕事もより一層頑張った。

< 26 / 157 >

この作品をシェア

pagetop