*花は彼に恋をする*【完】
でも、私はそんな彼の優しさに
甘え過ぎていた。
彼だって健全な男性だから
本当はそれ以上の関係に
進みたかったんだと思う。
だけど
遠回しに求めてきた時に
私は気づかないフリをして
その場をごまかしてすり抜けた。
彼が寂しく笑う度に
罪悪感や整理しきれない想いが
私に纏わりついていても
抱かれる事に抵抗を感じた。
彼の事は嫌いじゃないのに
彼は私を大事にしてくれるのに
私は何もしてあげれていない。
満足させてあげれてない。
居心地はいいのに
なぜか満たされていないような
そんな気がして
心がなぜか晴れなかった。
彼との将来を少しは
考えかけてきているはずなのに
そうじゃなきゃいけないのに
目には見えない溝が
2人の間に出来始めていた。
でも、私はもうすぐ
27歳になってしまう。
我儘でムシが良過ぎても
一人にはなりたくない。
今の恋を繋ぎ止めたい。
溝をなくして、何とかもっと
向かい合わないといけない。
その為にはやはり
彼に抱かれる事も抵抗せずに
ちゃんと考えなければ
いけないんだと思っていた。