*花は彼に恋をする*【完】
「…えっ!?あの…そんな。
謝らないで…頭上げて下さい!!
別にもう気にしてませんから。」
私は慌てて顔をあげると
両手を左右に振った。
やめて欲しい…謝るなんて。
お願い…。
あなたに謝られても惨めになるだけ。
すると黒瀬課長は
私の顔をジッと見下ろした。
そして
「…ちょっと待って。」
そう言いながらバッグを開けると
何かメモのようなモノを取り出して
私に差し出した。
「……?」
差し出されたメモには
携帯番号と
メールアドレスが書かれてあった。
…えっ!?あの…これは。
「…黒瀬課長?
こ…これは…その。」
もしかして…そう思った時
「…ああ、俺の携帯の番号と
メールアドレスだ。
困った事があれば
時間は気にしないから
いつでも連絡してくれていい。」
そう言って課長は優しく微笑んだ。
そして
「…それに…良かったら
週末食事でも行かないか?
今日の夕飯の御礼をしたい…。」
と、私は彼から誘いを受けた。