*花は彼に恋をする*【完】
えっ!?食事!?
今度は私が目を見開いた。
「……あの…その。」
驚きでいっぱいになりながら
「…あの…黒瀬課長。
別に御礼なんて…。
私は別に…そんな…。」
私は右手を前で左右に振った。
すると私は黒瀬課長に
その手をガシッと掴まれた。
…えっ!?
ドキッと胸が高鳴った。
「…野田さん。
君は俺と食事するのは嫌なのか?」
私は手を掴まれたまま
黒瀬課長に睨まれたように
ジッと見つめられた。
「……!!」
ビクッと体が軽く震えた。
逸らせない視線に
ドキドキが止まらない。
掴まれた課長の手の温もりに
私の顔が紅くなりそうになる。
「…いえ…そんな
嫌だなんて…思ってません。」
私は慌てて首を振った。
「……なら、いいんだね?」
漆黒の瞳に見つめられ
私は恥ずかしさに
頬が火照りそうになっていた。
「……はい。」
そう言わざるを得なくなり
もう片方の手で
黒瀬課長からメモを受け取った。