*花は彼に恋をする*【完】
『…玲花は
俺じゃない人をいつも見てる。』

『…君は俺じゃない人を想ってる。』

『…玲花は
俺といてもつまらないんでしょ?』

『…顔は笑っていても
心からは笑ってくれてないね。』

『…どうして玲花は
俺に抱かれるのを拒むの?
いい加減、俺は待ったのに…。』

このセリフをいつも私は

元カレと別れる際に言われる。

顔には出してないつもりだったけど

私ってそんなにわかりやすかった?

でも、私だって

結婚を少しは意識したんだよ。

(あの人を諦めなきゃいけない。)

って想いで、あの人を忘れようとして

この人ならきっと…って思ってた。


数週間前まで付き合っていた元カレは

今までの人より優しかったし

私の気持ちを尊重してくれたから

一緒にいるうちに

前を向けそうで

新しい私になれそうで

将来について真剣に向き合おうと

思っていたのに。

やっぱり今までの人みたいな事を

あっさり言われちゃって

残酷にも見捨てられちゃった。

カラダを重ねる事も

躊躇ってしまって出来なくて

お付き合いに張り合いもなくて

つまらないと呆れられた。

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