*花は彼に恋をする*【完】
女子社員の言葉に
私は目を見開いた。
「…何よ…それ。」
私が肉食系で遊んでる?
私が黒瀬課長を誘惑してる?
私が彼を巧みにたぶらかしてる?
私が彼の人格を可笑しくさせてる?
事実無根の事を言われ
言葉が出ない私に
「…黙ってるのは認めるんですね?」
女子社員は話を続けた。
「…野田さんは
営業の三橋さんとも仲良いし
他の男性社員とも
仲良さそうにしてるし
それに
あの企画開発の赤羽主任は
元カレさんなんですよね?
昔お付き合いされていた噂を
私聞きました。」
その言葉に
「…はっ!?…赤羽と!?
何よ、その噂!?」
私は再び目を見開いた。
「…違うわよ…事実無根よ。」
そんな噂話私は知らない…。
ここまで言われると勘違いも甚だしい。
しかも、さっきから
私はこの女子社員に
プライドも心も傷つけられてるし
噂が一人歩きしてるし
余分なモノをたくさんつけられる。
大切に想う人がいる
三橋にも赤羽にも悪いし
何だか私自身も可哀想になる。