*花は彼に恋をする*【完】
…『何言ってるんだって。』って。
「...とぼけないで下さいよ!!
あの女性と3年前にお見合いして
今も付き合ってるんでしょ!?
なのに…どうして
私の所にご飯食べに来るんですか!?
私が都合のいい女だからですか!?」
もう顔は涙でグチャグチャ。
別に彼の恋人でもないのに
これじゃあ、惨めな醜態を晒してる
ただの馬鹿な女だ…。
…どこかへ行ってしまいたい。
すると黒瀬課長は
「…何言ってるんだ!!
とりあえず来い!!
誤解を解くから…。」
そう言って私の腕を掴んだまま
元来た道を戻ろうとした。
「…ちょっ…ちょっと!!
嫌ですってば!!離して下さい!!」
何が誤解なのか知らないけど
もう放っておいて欲しくて
抵抗する私に
「…離さない!!誤解を解く!!」
語気を強めた彼は
私を引っ張ったまま
さっきのビルの玄関に入った。
玄関ホールにはあの女性が
彼のビジネスバッグを持ったまま
心配そうに立って待っていた。