SNOWMAGIC~雪の魔法~
「失礼しまーす。」

「おー、来たな。」

「はい、これ遅延証明書。」

「おー、預かるな。それにしても災難だったなー。」

「いや、別に?むしろ数学サボれてラッキー」

「お前ってやつは…」

「もう行っていい?」

「ああ。ちゃんと授業受けろよー」

「はーい」

教室に戻るときに窓を開けて外を見るとまだまだ雪がしんしんと降っている。

「まだ降ってる…寒ーいー」

校庭で雪合戦している男子がいる。

「雪なんてなくなればいいのに…」

「なんで?」

「うっっわ!ビ、ビックリしたぁ…」

窓から急に飛び出してきた。

ここは1階。あ、この人さっき雪合戦してた人だ。

「なんでって…雪の日は寒いでしょう。交通も乱れるし…」

「でも雪合戦とか雪だるま作れないよ?」

「私は雪合戦も雪だるまもやらないから…」

「楽しいよ?一緒にやる?」

「え?」

「なーにが『一緒にやる?』だ」

「げ、ゴリラ。」

ゴリラとは体育科の生徒指導担当、河上先生だ。あだ名はもちろん見た目から。

「だーれがゴリラだ。校庭めちゃめちゃにしやがって…」

「じゃね!今度一緒に遊ぼうね!」

「あ、まて!桜井(さくらい)!」
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