SNOWMAGIC~雪の魔法~
~Shunside~

『雪なんてなくなればいいのに。』

そういった彼女。

あの子はいったい誰なんだろう。

「おい、ふわふわ王子ッ。何に悩んでんだよ。」

「やめろよ、静夜(せいや)。その呼び方。なんでもねーよ。」

「冷たいねぇ。俺真鍋静夜(まなべせいや)はもうすぐ誕生日なのに。」

「あ?いつだっけ?」

「10だよ!ひでぇな。」

「わりー、わりー。おめでと。」

「いや、まだなってないから!つーかお前、ゴリラに追いかけられたんだって?」

「校庭で雪合戦やってたら追いかけてきた。」

「お前、名前が春なのに冬とか雪好きだよな。」

「いいだろ、冬にしかないもんたくさんあるし…。お前は名前のわりにはうるせぇよ。」

「いーだろ。賑やかなほうが。俺彼女んとこ行ってくるわ。」

「行ってこい、行ってこい。」

「言われなくても行くっつーの!」

「名前…か。あの子は何て言うんだろうな。」
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