SNOWMAGIC~雪の魔法~
しばらくして静夜が戻ってきた。

…死にそうな顔して。

どうしたんだよ。こいつは。

「彼女んとこ行ってきたんじゃねぇのかよ。」

「…行ってきた。」

「じゃあなんでそんな死にそうな顔してんだよ。」

「…今日、一緒に帰ろって言ったら『今日は友達と帰るからダメー』って言われた…」

「は?そんなこと?」

「そんなことなんかじゃねーよ!俺悲しい…。冬川に負けたんだ、俺。」

「冬川?」

「そう、冬川雪。美麗の親友。てか美麗に断られたから今日一緒に帰ろうぜ。春。」

「はいはい。」

「春、冬川のことが気になったのか?」

「雪って名前いいなって思って…」

「本人は嫌いらしいぞ。この名前。ちなみにお前の好きな冬も嫌いらしい。」

「もしかしてあの子かな…。写真とかあるか?」

「あ、ああ。美麗と写ってるのなら。」

静夜が見せてくれた写真にはやっぱりあの子。

「やっぱり…」

「やっぱりってなんだよ。詳しく話せよ。」

めんどくさくなりそうだったけど、俺は静夜に昨日のことを話した。

「へー、お前が女に興味持つとは珍しいな。今日どっか寄って帰ろうぜ。」


「どこに行くんだ。」

「駅ビルとか?」

「わかった。」

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