~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
「ねぇ、まりんちゃん、覚えてる? いつだったか、『好きな人が、遠すぎて会えないところにいる』って話したこと」
「覚えてます」
「私の好きな人はね、本当に遠すぎて会えないの。
彼がいるのは、天国だもの。
まりんちゃんは『あたしの好きな人も遠すぎて会えない』って言ってたけど……
あたしは、まりんちゃんがうらやましい。
だって、まりんちゃんの好きな人は、どんなに遠くても、この世にはいるでしょう?」
こくん、とうなずく。
「本当にうらやましい。
……あのね、まりんちゃん。
知ってて欲しいな。
たとえ片想いでも、好きな人が元気にこの世に存在しているって、それだけでもう、幸せなことなのよ」
じわり、と、瞳がうるむ。
さみしそうな笑顔でそんな話をする沙織さんが、切なくて。
グラスの中の氷がカランと音を立てたとき
一羽のカモメが、小さく鳴いた。
「覚えてます」
「私の好きな人はね、本当に遠すぎて会えないの。
彼がいるのは、天国だもの。
まりんちゃんは『あたしの好きな人も遠すぎて会えない』って言ってたけど……
あたしは、まりんちゃんがうらやましい。
だって、まりんちゃんの好きな人は、どんなに遠くても、この世にはいるでしょう?」
こくん、とうなずく。
「本当にうらやましい。
……あのね、まりんちゃん。
知ってて欲しいな。
たとえ片想いでも、好きな人が元気にこの世に存在しているって、それだけでもう、幸せなことなのよ」
じわり、と、瞳がうるむ。
さみしそうな笑顔でそんな話をする沙織さんが、切なくて。
グラスの中の氷がカランと音を立てたとき
一羽のカモメが、小さく鳴いた。