~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
あたしたちのいた個室を出てすぐ脇のドアを出ると、そこはテラスとなっていて、ガーデンテーブルとチェアが置いてあった。


そこに腰をかけ、「ふぅ」と小さなため息をひとつ。

空には曇がかかっていて、月もぼんやりとしか見えない夜だった。


「まりちゃん」


静かなドアを開く音とともに、良くんがテラスに出てきた。


「寒くない?」


「大丈夫」


良くんは隣の席に座ると、空を見上げた。


「今日は曇ってるから、星が全然見えないなー」


あたしも、一緒に空を見上げる。


「まあね。でも、曇ってなくても、東京の空はいつでもあまり星は見えないよ」

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